TOEICのリーディングセクションは75分で100問。そのうちPart 7が54問を占めます。「毎回10問以上マークを塗るだけで終わる」という声は、この試験でいちばん多い悩みかもしれません。
対策として真っ先に検索されるのが「速読のコツ」や「設問から先に読む」といったテクニックです。でもその前に確かめてほしいことがあります。あなたが読み切れない原因は、本当に読み方の問題でしょうか。
読み切れない原因は3つに分かれる
同じ「時間が足りない」でも、原因によって打ち手がまったく違います。まず自分がどれかを見極めてください。
原因A:単語で止まっている
1文の中に知らない単語が2つ3つあり、そのたびに意味を推測しようとして止まる。あるいは知ってはいるが、意味が出てくるまでに一瞬考える。
これがいちばん多い原因です。そして、いちばん自覚しにくい原因でもあります。「なんとなく読みにくかった」という感覚で処理され、単語のせいだと気づかれないまま終わります。
原因B:構文で止まっている
単語はわかるのに、文の骨格が取れない。関係代名詞が重なった文や、長い挿入句のある文で「結局どれが主語だったのか」と戻り読みしてしまう。
原因C:探し方で損している
単語も構文も問題ないのに、設問に対応する箇所を本文から探すのに時間がかかる。文書全体を最初から丁寧に読んでしまい、設問に関係ない部分にも時間を使っている。
どれに当てはまるか、こう判定する
判定方法は簡単です。時間制限を外して、同じ問題をもう一度解いてください。
制限なしで解いて正答率がほとんど変わらないなら、原因はAかBです。時間があっても解けないということは、読めていないということ。テクニックでは解決しません。
制限なしなら大幅に正答率が上がるなら、原因はCに寄っています。読む力はあるので、探し方と時間配分の練習が効きます。
AとBの切り分けは、間違えた設問に関わる文を、辞書を引きながら読み直すとわかります。単語を引いたらすんなり意味が通ったならA、単語を全部引いても文の構造が取れないならBです。
多くの人がやってしまうのは、原因がAなのにCの対策(速読テクニック)を探しに行くこと。知らない単語がある文は、どんなテクニックを使っても速くは読めません。
原因Aだったときの打ち手
語彙が原因なら、対策は語彙です。ただし、ここで大事な区別があります。
Part 7で時間を奪うのは、まったく知らない単語より、知っているけれど、意味が出てくるまでに一瞬かかる単語のほうです。
まったく知らない単語は、いっそ飛ばせます。読み飛ばしても文脈で補えることが多い。厄介なのは「見たことある……えーと」と0.5秒考えてしまう単語で、これは飛ばせません。無意識に止まり、しかも止まった自覚が残りません。
こういう単語が1文に3つあれば、その文だけで1.5秒余分にかかります。54問分の英文に積み重なれば、10分近い差になります。
だから、新しい単語を100語足すより、すでに知っている300語の反応速度を上げるほうが、Part 7では点になります。 「知っている」と「即座に出てくる」の差をどう測るかは「覚えたつもり」の単語を見つけるで詳しく扱いました。
反応速度を上げる練習は、日本語訳を隠して英単語を見て、1秒以内に意味が出てくるかを試すこと。出てこなければ、それは「まだ覚えていない」単語です。
原因B・Cだったときの打ち手
Bなら、文法書に戻ります。ただし1冊を通しでやるのではなく、戻り読みしてしまった文の構造だけをピンポイントで確認する。関係代名詞、分詞構文、倒置あたりが頻出の詰まりどころです。
Cなら、設問を先に読んでから本文に入る順序を試してください。特に「What is indicated about...」のような特定情報を問う設問は、対応箇所さえ見つかれば即答できます。あわせて、1つの文書に使う時間を決めて、超えたら次に進む練習をします。
自分の詰まりどころを実際の問題で確かめる
判定するには実際にPart 7を解いてみるのが確実です。
英単語学習アプリのメモピクには、レベル別のTOEIC模試があり、登録なしで解けるサンプルを公開しています。TOEIC 730点レベルの模試サンプルを、まず本番と同じ時間感覚で解き、そのあと時間無制限でもう一度解いてみてください。正答率の差が、原因の切り分けになります。
語彙が原因だとわかったら、登録なしのスコア診断で今のレンジを確かめ、1つ上のレベルの単語帳から始めるのが近道です。
まとめ
- Part 7が読み切れない原因は「単語」「構文」「探し方」の3つに分かれる
- 時間無制限で解き直して正答率が変わらなければ、原因は単語か構文。テクニックでは解決しない
- 辞書を引いて意味が通れば単語、引いても構造が取れなければ構文
- 語彙が原因なら、知らない単語より「思い出すのに一瞬かかる単語」のほうが時間を奪う
- 新語を足すより、既知語の反応速度を上げるほうがPart 7では効く
原因を取り違えたまま努力しても伸びません。まず切り分けから。
