単語帳を選ぶとき、多くの人が最初に見るのは「何語載っているか」です。三千語より五千語のほうが安心できそうに見えます。
でも、TOEICの点を取るために効くのは語数ではありません。「出る語を載せて、出ない語を載せない」という判断の質です。メモピクのTOEIC公式単語帳は、この判断を最新のAIに任せ、しかもひとつのAIだけでは終わらせない作り方をしています。その中身をお話しします。
有名な単語帳ほど、「減らす」ことができません
長く使われてきた単語帳には、当然ながら良いところがあります。ただ、版を重ねるほど抱えこむ問題もあります。新しい語は足せても、一度載せた語を削るのは難しい。「なぜこの語がなくなったのか」という声を思えば、足す一方になりがちです。こうして語数だけが増え、どれを優先すればいいのかが読者に丸投げされていきます。
もうひとつ、難しい語と出る語は別物です。辞書では上級に分類される語でも、TOEICのビジネス文書にはほとんど現れないものがあります。それを覚える時間は、点にはつながりません。
単語帳の価値は、載せた語の数ではなく、載せなかった語の判断で決まります。
2つのAIに、別々に候補を出させました
メモピクでは、まず別々の会社が作った2つのAIに、レベル帯ごとにTOEICで出る語の候補を挙げさせました。大事なのは、互いのリストを見せずに独立してやらせたことです。片方だけが挙げた語より、2つが別々に挙げて一致した語のほうが、「本当に出る」根拠として強いからです。
候補は5つのレベル帯を合わせて約3,600行になりました。ここから最終的に載せたのは、7冊で1,400語です。半分以下まで絞った根拠は、2つの判断の重なり。多ければ安心、という発想は最初から捨てています。
意見が割れた語は、模試の実データで決めます
2つのAIの意見が割れた語も、もちろんあります。そこで使ったのが、メモピク自身が持っているTOEIC形式の模試です。模試の英文をすべて解析して、どの語がどのレベルの問題に何回現れるかを数え、その頻度を判断材料にしました。AIの「出ると思う」と、模試の「実際に出ている」を突き合わせたわけです。
落とした語には、一語ずつ理由を残しています。たとえば900点帯の候補にあった amalgamate や benevolent は、難易度は高いもののTOEICのビジネス文書では優先度が低い、として外しました。難しい語を載せておけば立派に見えます。でもそれは、読者の時間を奪うだけです。その記録は、7冊ぶんで約500行。
選び終えたあとに、もう一度AIが赤を入れます
選定が終わったら、その一覧と理由をあらためて別のAIに読ませ、レビューを受けました。この語はこの帯に合わない、この語が抜けている、といった指摘を一語ずつ検討し、採用するものは理由付きで反映しています。作った本人が見直すだけでは、思い込みが残るからです。
1冊200語、場面ごとに10語、続編は重複ゼロです
こうして選んだ語は、入門から900点+まで7冊に分かれています。1冊は200語で、職場・配送・契約といった場面ごとに10語ずつまとめました。同じ場面の語を続けて覚えるほうが、記憶がつながりやすいからです。600点と730点には続編のVol.2があり、Vol.1と重なる語はひとつもありません。
1語ごとに、意味は2つまでに絞り、発音記号、例文とその訳、語源や関連語をまとめた覚え方、そして例文の場面をそのまま描いたイラストが付いています。さらに、各レベルのTOEIC形式の模試は、どの問題にもその単語帳の語が入るように作ってあります。単語帳で覚えた語に、模試でもう一度出会う設計です。
できあがった600点の単語帳を、3つのAIに採点させました
作った側が「厳選しました」と言うだけでは、読者は確かめようがありません。そこで2026年9月、完成した600点の単語帳(200語)を、別々の会社が作った3つのAIに同じ依頼文で採点させました。
採点のやり方は、印象で点を付けないように固めてあります。200語すべてについて「600点を目指す人に必要な語か」「例文はその場面に合っているか」「訳は正しいか」を1語ずつ判定し、合格した語の割合をそのまま10点満点の点数にする方式です。見る人が変わっても、同じ判定なら同じ点になります。
結果は、3つのAIの総合点が9.0点、9.3点、9.1点。平均で9.1点でした。観点別に見ると、次のようになります。
- 場面設計(20場面がTOEICの典型場面か): 3つとも10.0点。合わない場面は0でした。
- 語義の適切さ: 3つとも10.0点。200語のうち訳の修正を求められたのは、1つのAIが挙げた1語だけです。
- 例文の質: 9.5〜9.9点。
- 出題適合度(600点帯に必要な語か): 9.0〜9.4点。難しすぎる語、出にくい語は3つとも0〜1語でした。
- カバー率(各AIが自分で選んだ必須100語のうち、この帯の単語帳に載っている割合): 8.5〜8.9点。
- 場面内の一貫性(例文の舞台がその場面に直接結び付いているか): 6.5〜8.5点。
いちばん低かったのは、場面内の一貫性です。指摘の中身は、選んだ語そのものより、例文の舞台が場面から少しずれている語があるというもので、3つのAIが揃って挙げた語が23語ありました。たとえば「空港のゲート」の場面にバス運賃の例文がある、といったものです。これは例文を場面に寄せれば直せるので、順に手を入れていきます。
3つのAIが揃って褒めたところも書いておきます。「備品の在庫」の場面は、在庫切れから発注、見積もりまでの流れがそのまま語順になっていて、Part 3の会話の展開を語ごと予習できる。「面接の部屋」の場面は、応募から待遇の確認までの語が一場面で揃う。plantを「工場」、addressを「対処する」と、知っている語の仕事上の意味を例文で固定している。どれも、場面ごとに10語をまとめる作り方が効いている部分です。
最新のAIで集めた語彙は、出る語の全体像を押さえています
2つのAIが独立して候補を出し、一致した語を核にする。割れた語は模試の実データで決める。選び終えたあとに、別のAIがレビューする。この手順で作った1,400語は、TOEICに出る語の全体像を押さえていると言っても過言ではありません。多いから安心なのではなく、削る判断を重ねたから安心できる単語帳です。
公式単語帳は、無料プランでもそれぞれの先頭から試せます。まずは自分の目標スコアの単語帳を開いて、最初の場面の10語を眺めてみてください。
※単語の選定とAIによる採点は2026年9月時点の内容で、特定の語の出題を保証するものではありません。採点は自動化した判定に基づくもので、学習効果を測ったものではありません。
