メモピクを作っている私は、半年の勉強でTOEICのスコアが935点になりました。
やったことは多くありません。特別な教材も、高い講座も使っていません。この記事では、その半年で私がやったことと、途中で気づいたことを順番に書きます。もともと英語がまったく読めなかったわけではないので、そこは差し引いて読んでください。それでも、やったことの中身は誰がやっても同じだと思っています。
ただ、具体的な勉強法に入る前に、どうしても書いておきたいことがあります。それは、テクニック以前の「気持ちの問題」の重要さです。
勉強法より前に、「絶対に取れる」と信じること
TOEICの勉強法を調べると、どの単語帳がいいか、どの解法テクニックが効くかといった「やり方」ばかりが目に入ります。
けれど、半年間愚直に机に向かい続ける中で、私が一番痛感したのは「気持ちの問題」の大きさでした。精神論に聞こえるかもしれませんが、900点を超えるかどうかの差は、頭の良さではなく「自分は絶対に900点を取る」と信じ切れるかどうかで決まります。
多くの人が800点前後で止まってしまうのは、心のどこかで「900点は自分には無理なんじゃないか」「帰国子女や一部のエリートだけの世界なんじゃないか」と諦めているからです。疑いながら勉強していると、伸び悩んだときにすぐ手が止まります。
でも、TOEICはただのマークシート試験です。出題されるパターンも単語も決まっていて、正しいやり方で量をこなせば、誰でも確実に届きます。才能は関係ありません。まず「自分は絶対に取れる」と決めて、疑わないこと。これがすべての前提でした。
動機は、綺麗じゃなくていい
その「信じる力」を支え、毎日の勉強を続けさせるのは、強い動機です。
ここも、よくある「英語で世界中の人と話したい」「教養を身につけたい」といった綺麗な理由である必要はありません。もちろんそれも素晴らしいですが、朝眠いときや、仕事で疲れ果てて帰ってきた夜に、自分を机に向かわせたのはもっと泥臭い感情でした。
「自分を軽んじてきた周りを見返したい」 「どうしても行きたい会社があって、そこで学歴や経歴を理由に落とされたくない」 「今の環境から絶対に抜け出したい」
こういう、人には言えないような執念や悔しさ、野心のほうが、途中で心が折れそうなときの強烈なガソリンになります。なぜ自分は900点を取りたいのか。周りに何と言われようと譲れない理由を、胸の中に一つ持っておくことが大切です。
900点を取ったとき、どんな姿になれるか
もう一つ、勉強を続ける力になったのは「900点を取ったあとの自分」をリアルに想像することでした。
正直に言うと、900点(935点)を取ったからといって、翌朝いきなりネイティブのようにペラペラ話せるようになるわけではありません。映画を字幕なしで完璧に理解できるわけでもない。
けれど、自分の周りの世界と、自分自身の意識は確実に変わりました。
まず、キャリアの選択肢が一気に広がります。履歴書に「935」と書くだけで、英語を条件にするほぼすべての企業の書類選考を突破できるようになりました。「いい会社に入りたい」「転職でキャリアを切り拓きたい」と思っていた私にとって、この数字は強力な武器になりました。
周囲の見る目も変わります。「英語ができる人」として扱われるだけでなく、「高い目標を立てて、半年間でやり切った人」という信頼が生まれます。
そして何より大きかったのは、自分に対するコンプレックスが消えたことです。「自分もやればできるんだ」という手応えは、英語にとどまらず、その後の仕事や新しい挑戦すべてを支える自信になりました。
その姿が手に入ると分かっていたからこそ、日々の地味で退屈な暗記やシャドーイングを投げ出さずに済みました。
ここから、その半年間で実際にやった具体的な勉強法に入ります。
単語帳は、どれを選ぶかより、全部覚えたか
最初にやったのは単語です。市販のTOEIC向けの単語帳を何冊か使って、載っている単語を全部、確実に覚えました。
どの単語帳がいいかは、正直どれでも同じだと思っています。TOEICに出る単語はだいたい決まっているので、名の通った単語帳なら中身は大きくは変わりません。差がつくのは選び方ではなく、載っている単語を残らず定着させたかどうかです。
やり方は単純で、覚えていない単語だけを絞り込んで、それを繰り返します。1周目で覚えた単語は2周目から外す。残った単語だけをまた回す。これを、残りがゼロになるまで続けます。見出し語だけでなくフレーズごと覚えて、見た瞬間に意味が出てくる状態がゴールです。半年のうち、いちばん時間を使ったのはここでした。
「一通り見た」と「定着した」は別物です。ページをめくり終えても、思い出せなければ本番では出てきません。覚えたつもりを見分ける方法は「覚えたつもり」は、思い出せるかで測るに書きました。
単語が一通り入ったら、公式問題集を繰り返す
単語とフレーズが一通り頭に入ったら、次は公式問題集です。何冊も買う必要はありません。私は1〜2冊を繰り返しました。
公式問題集を選んだ理由は、本番と同じ作りだからです。設問の言い回し、選択肢の作り方、リスニングの話者の速さ。これに慣れておくと、本番で初めて見る形式がなくなります。
繰り返すときに大事なのは、間違えた問題をなぜ間違えたのか見ることです。単語を知らなかったのか、読むのが遅くて時間切れだったのか、聞き取れなかったのか。原因が違えば直し方も違います。単語が原因なら単語帳へ戻る。速さが原因なら次の節の話になります。
解けない問題に、時間をかけない
公式問題集を解いていて気づいたのは、TOEICは英語力だけの試験ではないということでした。2時間で200問。制限時間の中でどれだけ処理できるかという、情報処理の試験でもあります。
だから、解けない問題に時間をかけていられません。Part 5で1問に1分かけると、30問で30分。Part 7に残すはずだった時間がそこで消えます。分からない問題は、悩まずにマークして先へ進む。捨てます。全部を解こうとすると、後ろにある解ける問題まで落とします。
何を捨てるかは、その場で決めるものではなく、事前に決めておくものです。公式問題集を時間を計って解くと、自分がどこで時間を落としているかが分かります。そこを見て、悩んでいい問題と切り上げる問題の線を先に引いておく。これは勉強というより戦略の話で、英語力がそのままでもスコアが動く部分です。
Part 5でいうと、選択肢を見た時点で文法問題か語彙問題かを見分けて、語彙問題は知らなければ20秒で切り上げます。この見分け方はTOEIC Part 5は「文法問題」と「語彙問題」で解き方が違うにまとめています。
リスニングは、聞き流さずにシャドーイング
リスニングで効いたのはシャドーイングです。公式問題集の音声を流して、少し遅れて声に出してついていく。聞き取れなかった箇所はスクリプトを見て、聞き取れるまで繰り返します。
聞き流すだけでは伸びませんでした。声に出すと、どこが聞き取れていないかがその場で分かります。単語は知っているのに音で分からない、というのが一番多い落とし方で、これは目で覚えた単語を音で覚え直す作業でしか埋まりません。
ほかに効いたこと
ここからは、上の4つほど大きくはないけれど、やってよかったことです。
Part 3と4は、音声が流れる前に設問を読んでおきます。何を聞くべきかが分かっていれば、聞き取れなかった部分があっても答えられることがあります。
模試は、時間を計って通しで解きます。1パートずつ解けるのと、2時間集中し続けられるのは別の力です。本番で後半に集中が切れる感覚は、通しで解かないと分かりません。
問題集で間違えた問題に出てきた単語は、単語帳に足していきます。単語帳の単語と問題集の単語が1か所に集まると、復習の場所が1つで済みます。
この半年でやったことを、メモピクに入れました
ここまでの方法は、教材を選ばず時間をかければ誰でもできます。ただ、私が一番手間をかけたのは、覚えていない単語を自分で絞り込み続けるところと、間違えた原因を自分で分類するところでした。メモピクは、その2つを楽にするために作っています。
単語は、AIがその単語の場面を画像にして、忘れそうなタイミングで復習を届けます。覚えた単語は自然に出題から外れ、覚えていない単語だけが残るので、私が手作業でやっていた絞り込みをアプリが代わりにやります。TOEICはレベル別の公式単語帳を用意していて、載っている単語を全部覚えるまでの道のりを冒険マップで見せます。
模試は、通しで受ける模試と、1回5〜10分のミニ模試があります。受けたあとにはパート別の正答率と、間違えるときのくせ(音が似た語を選びがち、品詞違いを選びがち、など)が分かります。落とした単語は、そのまま自分の単語帳に追加できます。「なぜ間違えたのか」を自分で分類していた作業を、ここで肩代わりします。
登録は無料です。スコア診断と模試のサンプルは登録なしでも解けますし、公式単語帳の一部やミニ模試の指定セットは無料プランのまま使えます。まず今のスコアを診断して、その一つ上の単語帳から始めてみてください。
まとめ
- 「絶対に取れる」と信じ、強い動機を持つ。周りを見返したい、いい会社に入りたいといった泥臭い感情こそが、半年間やり抜く原動力になる
- 単語帳は、載っている単語を全部覚える。覚えていない単語だけを絞り込んで、残りゼロまで繰り返す
- 単語が入ったら公式問題集を1〜2冊、繰り返す。間違えた原因を分類する
- TOEICは情報処理の試験でもある。解けない問題は捨てて、解ける問題を落とさない
- リスニングは聞き流さず、シャドーイングで音を体に入れる
この記事は私個人の体験で、同じ期間で同じ結果になることを約束するものではありません。ただ、やったことはこれだけです。
