学習法

英単語は1日何個覚えるべきか——挫折しないペースの決め方

「試験まで3か月、単語帳は2,000語。よし、1日30個だ」。こうして始めた単語学習が1週間で止まった経験はありませんか。

英単語のペース設計は、単純な割り算で決めると高確率で破綻します。この記事では、挫折しないペースの決め方を、目的別の目安と一緒に紹介します。

「多くやるほど早く終わる」が挫折のもと

まず押さえたいのは、「今日やった単語数」と「覚えた単語数」は別物だということです。

1日50個に目を通しても、1週間後に思い出せるのが5個なら、実質のペースは1日5個以下。しかも大量にやると1語あたりの処理が浅くなり、定着率はさらに下がります。「たくさんやったのに残らない」という徒労感は、挫折の直行便です。

ペース設計で最適化すべきは「1日に触れる数」ではなく、1週間後に思い出せる数のほうです。この視点に立つと、適正な数はかなり小さくなります。

目的別の目安

必要な語彙量と使える時間から、現実的な目安を挙げます。個人差があるので、あくまで出発点として見てください。

  • 大学受験生: 新規は1日20〜30語まで。学校の授業や長文で単語に触れる機会が多いため、単語学習単体はこの範囲で十分回ります
  • TOEIC・仕事で英語が必要な社会人: 新規は1日10〜20語。まとまった時間より、通勤などのスキマ時間に分割するほうが続きます
  • やり直し英語・学び直し: 新規は1日5〜10語。少なく感じるかもしれませんが、ブランクがある時期は「毎日続くこと」の価値が数を上回ります(詳しくは大人のやり直し英語は単語からへ)

共通するのは、どの目安も「気合いを入れれば倍できる」水準に見えることです。それでいいのです。余力があるくらいのペースが、3か月後も続いているペースです。

「新規」と「復習」は別枠で数える

新しい単語に出会う:毎日続けられる量に絞る。前の単語を思い出す:復習の時間も先に確保する。
新しく覚える語数だけで予定を埋めず、復習も1日の学習に含めます。

ペース設計でいちばん見落とされがちなのがここです。単語学習の時間は、新しい単語を覚える「新規」と、前に覚えた単語を思い出し直す「復習」の2つでできています。

そして学習が進むほど、復習すべき単語は増えていきます。新規10語のペースで1か月続ければ、手持ちは300語。その中から毎日20〜30語程度の復習が発生するのは自然なことです。

おすすめの配分は、学習時間の半分以上を復習に回すこと。「新規10語+復習20語」のように、最初から復習の枠を確保しておくと、覚えたそばから忘れていく感覚がなくなります。復習を圧迫しないためにも、新規の数は控えめが正解です。

まず「1日10語・10分」から始める

迷ったら、新規は1日10語から始めてください。根拠は単純で、1語あたり30秒〜1分かければ10語で約10分。ちゃんと画像や場面とセットで覚えて、思い出すテストまでやって、それでも10分強に収まる分量だからです(この手順は実践5ステップで解説しています)。

1〜2週間続けてみて、余裕があれば15語、20語と増やす。逆に、復習が回らなくなってきたら新規を減らす。「継続日数が伸びているか」「復習で思い出せる率が上がっているか」をペース調整の判断材料にしましょう。覚えられない感覚が続くときは、数ではなく覚え方の問題かもしれません(英単語が覚えられない3つの原因もどうぞ)。

ペース管理はアプリに任せるのが確実

ここまでの話を毎日自力で管理するのは、正直かなり面倒です。今日の新規は何語目からか、どの単語が復習のタイミングか、全部覚えておくことになります。

英単語学習アプリのメモピクは、単語帳が1章=最大10語の区切りで進む設計になっており、この記事の「1日10語」ペースがそのまま実践できます。復習のタイミングも科学的な復習サイクルに沿ってアプリが管理して知らせてくれるので、自分で数える必要がありません。無料でためせますので、ペース管理ごと仕組みに任せたい方は試してみてください。

「何語必要か」が気になったら

ペースを決めるとき、そもそもゴールの総語数が気になる人も多いはずです。ただ、目標スコアや級に必要な語彙数には公式の数字がありません。その事情と、語数の代わりに何を基準にすればいいかはTOEICに必要な単語数は何語かと英検3級から1級まで、必要な単語数と現実的な積み上げ方で整理しています。

まとめ

  • 最適化するのは「1日に触れる数」ではなく「1週間後に思い出せる数」
  • 目安は受験生で新規20〜30語、社会人で10〜20語、やり直しなら5〜10語
  • 新規と復習は別枠。学習時間の半分以上は復習に回す
  • 迷ったら「新規1日10語・約10分」から。続くようなら増やし、復習が回らなければ減らす

割り算で決めた無理なノルマより、余力のある10語。今日から切り替えてみてください。